2008/12/28

雪山 湯の丸山(2101m)

今回は長野県湯の丸山へ。ここは雪山入門としてはとてもよいコースだ。
小諸ICより1時間ほどで湯の丸スキー場へアクセスできる。

湯の丸スキー場。ここの右脇から入りました。
送信者 yunmaru


前日冬型の気圧配置で心配しましたが空は晴れ、新雪がたっぷりと積もっていました。

スキー場の脇から林道コースを上がりリフトの頂上駅から誰も足を踏み入れないエリアへ。

アイゼンをつけて、、
送信者 yunmaru


送信者 yunmaru


木もカチコチに氷ついてます。
送信者 yunmaru


稜線に出ると風が冷たい!!
送信者 yunmaru


頂上からは浅間山が噴煙を上げていました。
送信者 yunmaru


のっぺいとした湯の丸山。。左が南峰、右が北峰。
送信者 yunmaru


今年最後の登山でした。

来年もどっぷり山へつかりたいですね。

2008/11/27

東南アジア最高峰キナバル山登山(4095m)

キナバル山
送信者 kinabal



ついにやってきた。

海外初ツアー登山だ。今回は6名の参加だ。

場所はマレーシアにあるキナバル山で東南アジアで一番高くあの富士山よりも高く4000m級である。キナバルの名前の由来はアキ・ナバル(祖先の霊る山)がなまってキナバルになったという説がある。

山麓は熱帯雨林のジャングルが鬱蒼としており食虫植物であるウツボカズラや色とりどりのランが咲き乱れ、シャクナゲの大きな花に驚く。。3000m以上のエリアは溶岩が固まった岩盤でできており氷河で削られた岩岩がなんともかっこよく美しい。

海外と言えば、入国が不安だ。

一列に並びドキドキ順番を待つ。たまに、聞かれる質問に笑顔で頷く。
予想以上になんなく通過。ゲートを出ると現地スタッフが待っていてくれた。

車で早速キナバル山麓のプルカサホテルへ。到着は夜だった。


朝市
送信者 kinabal



翌朝、公園本部(PHQ)へ行く途中にある朝市へ立ち寄りフルーツを購入。特に小さいモンキーバナナが好評だった。PHQにて入山手続き。キナバルは入山制限があり予約していないと入山できないことがあるので注意したい。ここでガイドさんポーターさんを頼む。ここから車で登山口のあるティンポホォンゲートへ。

公園本部(PHQ)
送信者 kinabal


体操をして気合いが入れいざ出発!!
送信者 kinabal


シャクナゲ
送信者 kinabal


ウツボカズラ
送信者 kinabal


ランの花
送信者 kinabal


送信者 kinabal



スタートしてすぐ熱帯ジャングルのトンネルを歩く。多種多様な植物が咲き乱れ競うようにアピールしている。色とりどりのシャクナゲの花、多様なランの花がみられる。そしてあの食虫植物ウツボカズラもたくさん出てきて楽しい。特に、きれいな花をみていると一気に疲れが吹き飛んでしまうようだ。

ランチボックス
送信者 kinabal


キナバルには三十分おきくらいにシェルターが出てくる。ちょうどよいところでお昼にした。公園本部でこのランチボックスがもらえる。サンドイッチにフライドチキンなど意外においしい。シェルターには屋根がついておりスコールのときには避難場所として非常に役にたつ。


ラバンラタレストハウス
送信者 kinabal



7時間ほど登りラバンラタレストハウスへ到着。今日はここで一泊し明日の夜明け前の出発に備える。ここのレストハウスは3000m以上にはあるとは思えないほど大型の施設で食事はたくさんのバイキングが楽しめる。そしてシャワーまである。ベットも一人一人あり日本の小屋のように詰めて寝るようなことはない。日本の山小屋と比べてしまうと比べ物にならないくらい整っている。
7時には就寝し3時の出発に備える。

サウスピーク
送信者 kinabal



早朝3:00。ヘッドランプをつけて登り始める。出発してからすぐに大きな段差の階段登場しこれに体力を奪われる。それを抜けると今度は大きな岩場が登場。難所がいくつも登場してくる。下からロープが山頂まで続いており道しるべにもなのので辿って登っていく。岩登りのような急な斜面があるわけではないが一歩一歩ゆっくりゆっくり進んでいく。だんだん酸素が薄くなるのも感じる。

送信者 kinabal


ローズピーク(4095m)
送信者 kinabal


4000m到達!あともう一歩。足が重くなってくるがゆっくりゆっくり進む。

送信者 kinabal


ついに山頂へ!なんともいえない達成感が全員の心に刻まれる。下を見下ろすとコタキナバルの町と海までの大展望を望むことができた。

送信者 kinabal


ドンキーイヤーズピーク
送信者 kinabal

ロバの耳見たいではないですかあ!?

送信者 kinabal

下山はラバンラタまで下りて一泊してから登山口まで下りた。大体のグループは頂上を踏んだその日に一気に下まで降りてしまう。だが、僕らは一泊ゆっくりしてから降りた。

バナナボート
送信者 kinabal


下山後はコタキナバルのビーチリゾートでバカンスをした。バナナボートに乗ってはひゃいだりパラセーリング(ボートでパラシュートを引っ張ってもらう)を楽しんだりシュノーケルで熱帯魚などを追っかけまわしたりして楽しんだ。

2008/11/20

今回四国の百名山三座(石鎚山、剣山、大山)を一気にまわる計画だ。東京、札幌、仙台から44名参加者が集まり大人気のツアーとなった。

送信者 Ishiduchi-tsurugi-daisen


山岳信仰(修験道)の山として知られる石鎚山へ。日本百名山、日本百景の一つであり、日本七霊山のひとつとされ、霊峰石鎚山とも呼ばれる。石鎚山脈の中心的な山であり、石鎚国定公園に指定されている。正確には石鎚山の頂は、通常は天狗岳のことを指すが、弥山から天狗岳までが岩場であるため弥山までの登山者も多い。今回は土小屋から鎖場を登り三弥を天狗岳までチャレンジする。


送信者 Ishiduchi-tsurugi-daisen


山頂には神社があり、その右肩から垂直の壁を登る。弥山まで3箇所の鎖場があり、下から「一の鎖」(33メートル)、「二の鎖」(65メートル)、最後は「三の鎖」(67メートル)と続くが迂回路もあるが、全員鎖場にチャレンジ!!目の前は垂直の壁で鎖を支える手が震える。かなり興奮する。自分が今命を握っている感じだ。

送信者 Ishiduchi-tsurugi-daisen


なんとか三の鎖場まで登りきり山頂神社のある三弥へ。神社からはお経が聞こえてくる。山頂からは瀬戸内海、および土佐湾、見通しのよい日には大山を始とする中国山地、九州の久住連山まで望むことができる。

送信者 Ishiduchi-tsurugi-daisen


そして、本当の山頂である天狗へ。足元の下にはるかに伸びる絶壁にドキドキしたが、なんとか無事に天狗岳登頂することができた。下山は石鎚ロープウェイへ。

送信者 Ishiduchi-tsurugi-daisen


翌日は、剣山(tsurugi-san)へ。ゆっくりゆっくりスタートする。

送信者 Ishiduchi-tsurugi-daisen


途中、奇岩の目の前に神社が立っていた。おそらくこの奇岩に神の力を信じ信仰したのだろう!って思ってしまうくらい何か不思議なパワーを感じる。

剣山(1955m)
送信者 Ishiduchi-tsurugi-daisen


送信者 Ishiduchi-tsurugi-daisen


二時間ほどで山頂までこれた。名前は剣といかにも鋭い感じを受けるがまんまるのただっぴろい丘だ。この日は霧がかかったためサクッと写真を撮り下山。途中、大剣神社で休憩する。

送信者 Ishiduchi-tsurugi-daisen


真弓の実がきれいだ。ゆっくりゆっくり楽しみながら下山した。

下山を待ち合わせしていたバスに乗り込みいざ移動!!
本日の移動距離は長い。剣山のある徳島県から瀬戸内海を渡り鳥取県までの大移動だ。


大山(1711m)
送信者 Ishiduchi-tsurugi-daisen


朝暗いうちから懐中電灯の明かりを頼りに夏道コースの急坂を登る。なんだかどこを登ってきたのかさっぱりわからず、朝を迎えたら今度は霧で真白。。。結局景色を見ることできず山頂まで来たが、みんなで写真を取ろうしたら、、

突然、雲がさーっと窓を開けてくれました。みな思わず「ああ!!」と大歓声!上に真っ青な空と下はるか向こうには日本海が見えました。写真に撮ると雲にピントが合ってしまい真っ白になってしまい記録には残せなかったですが、そこにいる人たちだけが味わえた感動でした。こういうサプライズたまりませんね☆

また山に来たくなる理由のうちのひとつかもしれません。

送信者 Ishiduchi-tsurugi-daisen


送信者 Ishiduchi-tsurugi-daisen


下山は行者コースから。途中、あたりは紅葉でとてもきれいでした。

2008/11/06

秘境☆隠岐島めぐり

1日目:島後(隠岐空港、玉若酢命神社、自然観察)

送信者 隠岐諸島ネイチャートレッキング


伊丹空港より約45分。プロペラ機の車窓から日本海に浮かぶ島々が雲の切れ間より姿を現してきた。「意外に大きな島」そんな印象だ。島根半島の北40~80kmの日本海に点在する4つの有人島と180あまりの無人島で構成されており「隠岐諸島」や「隠岐の国」と呼ばれている。一般に「隠岐島」というが、その名をもつ島があるわけでなく総称である。隠岐諸島は島後水道を境に本土から見て手前にある島を「島前(どうぜん)」後ろにある「島後(どうご)」に分けられる。島前は中ノ島(海士あま)、知夫里島(ちぶりじま)、西ノ島(にしのしま)から成り、島後は隠岐諸島の中で一番面積が大きい。

送信者 隠岐諸島ネイチャートレッキング


 隠岐空港へ到着すると、現地ガイドのマトイさんが待っていた。中ノ島(海士)への船の待ち時間を利用して道後の観光案内をして頂く事になっている。早速、バスに乗り込み玉若酢命神社(たまわかすみことじんじゃ)へ向けて出発。テンポの良いトークで島の成り立ちから、歴史、文化、産業、自然、気候、隠岐の特産物などお話のわかりやすく解説して頂く。
 神社へ到着。境内へ入る前、「正しい参拝の仕方は??」という問題が出題された。わかるようでわからない。答えは、人は左側を歩くだ。真ん中は神様が通られる道ということだ。ここ玉若酢の神は国土開発の神で、たくさんの神々が祭られており、神社を統括する役割も担っている隠岐で重要な位置を占める神社だ。境内には「やお杉」という樹齢2000年と言われる杉が堂々とした風格をたたえている。参拝も済む頃小雨が降り始めてきた。再びバスへ乗り込み隠岐の固有植物である「オキノアブラギク」を探しに行く。車窓からはたくさんの牧場が風景が楽しめる。ここの牛はのびのびと広い牧場で一頭一頭が大切に育てられ、高級和牛「おき牛」として、または「神戸牛」として市場へ出る。様々な講義、解説をして頂きながらバスは進む。
 バスが突然減速する。どうやら隠岐にしかないという「オキノアブラギク」を発見したようだ。車内はちょっとした歓声で沸く。小雨にもかかわらず傘もささずカメラを片手に飛び出し「シャッター」を切る。それにしても道端にあるとは驚きだ。隠岐には、固有種としてオキシャクナゲ、オキノアブラギク、オキタンポポ、オキノアザミがある。写真撮影を楽しむも束の間、船の時間も迫ってきたので西郷港へ引き返す。西郷港にてマトイさんとお別れし、菱浦港へ高速船を乗り継ぐ。浮上型の船で水中より浮いているため揺れも少ない。窓には打ち付ける雨音が響くが車内は平和で快適に飛ばす。港ではマリンポート海士のバスに迎えに来ていただきホテルへスムーズに直行。
 夕食は、伊香の塩辛ピリ辛風、鰻真丈、ピリ辛鰯、栗甘露煮に生雲丹、鯛、丸子のお造り、豚角煮、鰈西京焼き、もずく酢、牛たたきカルパッチョ、ズワイガニ、寄せ鍋、茶碗蒸しにデザート。食べきれないほどたくさんの豪華な献立には、ついつい勝手に箸が進んでしまう。


2日目:海士(後鳥羽上皇御火葬塚、隠岐神社、金光寺、明屋海岸) 知夫里島(赤ハゲ、赤壁)

 バスガイドのハマイタさんの心地よい案内で2日目の観光が始まる。隠岐神社の祭神は後鳥羽上皇。付近には上皇の遺灰や遺骨を埋葬した火葬塚、少し奥まったところに源福寺寺院が行在所跡として保存されている。後鳥羽上皇が隠岐に御遷幸されたとき行宮とされ、19年間お住みになられて場所として有名。当時火葬されるのはとても珍しいことで、それほど都へ帰りたいという思いが強かったということでもあるようです。隠岐が遠流の地と定められたのは聖武天皇の時代、神亀元年(724年)で、天皇や、公家、役人などの政治犯が多かったようで、小野篁(おのたかむら)や後鳥羽上皇・後醍醐天皇など歴史上の有名人が多いのが特徴です。流人には法度(禁止事項)として四つの決まりがありました。①離村してはならない。②博打してはならない。③結婚してはならない。④船に乗ってはいけない。
送信者 隠岐諸島ネイチャートレッキング


 バスは隠岐随一の展望地金光寺へ。小野篁の伝説地で、遣唐副使であった小野篁は嵯峨天皇の怒りをうけ、承和5年(838年)に隠岐の海士町豊田へ配流となりました。小野篁は在島中、金光寺山の6社権現に百日の参籠をし、都に還らせ給えと祈願。その間、仏像を刻み作りました。また、つばめ」村のあこな姫との恋物語も有名。
 金光寺を後にし、バスはハマイタさんの「しげさ節」や金も奥さんのないという意の「きんにゃもにゃ節」をBGMに明屋海岸へ。海岸線には絵になるような奇岩が紺碧の海とコントラストが面白く見ごたえがある。明屋とは、昔この海岸で女神が身籠り、産屋(=籠もる)が明ける(子供が生まれる)ことから子供祈願の海岸です。味蔵で、島の味を楽しみ一息してから港へ。次は菱浦港から来居港へ知夫里島観光だ。
 港の目の前でスタンバイしていたバスへ乗り継ぐと、知夫里島のハイライトであるアカハゲ山へ。牧場に囲まれた一本道を登って行く。途中道を横切る牛のためバスは停車する。ここでは、牛が優先だ。なんといっても島民の数よりはるかに牛の数の方が上回る牛中心社会だ。そんな牛に道を譲りながら展望台へ到着。ここはなんと360度の景色が楽しめる。天気のいい日には島根や大山の展望が楽しめるという。
 バスは、展望台から草原地帯を下り赤壁へ。またここの展望はさらに迫力がある。自殺の名所を思わせる柵のない断崖絶壁の見晴台から赤壁を眺められる。ざっくりとえぐられた赤茶色の岩は時間とともに色を変え夕日を受けた壁はドラマチックだという。
送信者 隠岐諸島ネイチャートレッキング


3日目: 西ノ島(焼火神社‐焼火山(452m)、赤尾展望台‐魔天崖‐国賀海岸)

 深谷さんとアシスタントの近見さんの案内で島前最高峰の焼火山へ。本日は待ちに待った自然観察ハイキングだ。いろいろな植物を観察しながら解説に耳を傾け、活発な質問が飛び交う。自然をどっぷり楽しめる行程のため興奮気味に足取りも軽くなる。ただ、ここにはマムシやスズメバチ、ウルシやハゼの木があり注意しなければならない。蜂から逃げるときは、姿勢を低くして逃げると良いことを教えて頂いた。
 のしぶくろのモデルになっているミズヒキソウ、繊維が強くて牛が食べないイラクサ、赤い実が胡椒に似ているといういわれのコショウノキ、杉の木の区分わけに植えているアスナロ、毒があるホウチャクソウ、大陸系のクワであるケグワ、大きな実がなるムベ、木材の中が赤いことから名付けられたアカガシ、コケイラン、マムシグサ、イヌガヤ、クサギ、シャシャンボ、アカメガシワ、ヤマハゼ、トベラ、シマカンギク、オキノアブラギク、サイハイラン、、、など隠岐の植物の特徴や名前、名前の由来等いろいろな話を聞いているとあっという間に焼火神社へ到着。
送信者 隠岐諸島ネイチャートレッキング

 焼火山(海抜452m)の中腹にある焼火神社は日本海の船人に海上安全の神と崇められている。旧暦12月31日の夜、海上から火が三つ浮かび上がり、その火が現在社殿のある巌に入ったのが焼火権現の縁起とされ、現在でもその日には龍灯祭という神事が行われている。以前はその時に隠岐島全体から集って神社の社務所に篭り、神火を拝む風習があった。現在もその名残を留め、旧正月の5日から島前(どうぜん)の各集落が各々日を選んでお参りする「はつまつり」が伝承されている。
 神社を後にし、山頂へ向かう。ところどころ道が狭く藪のようなところを歩きスリルがあったが、なんとか無事展望が開けた展望台へ。ここで、胃腸の薬にもなるというちょっと甘い香りのする「クロモチ」の葉を乾燥させて作ったお茶を頂きホッと一息。
送信者 隠岐諸島ネイチャートレッキング
 昼食を海遊園つるまるで頂き、赤尾展望台へ向かう。途中「牧柵」と言われる牛が逃げないように工夫された丸太橋のような橋をガタガタと言わせながら何度かバスで乗り越え牧場の一本道をのんびり上がる。ここ赤尾展望台周辺は今は全て牧場だが、昔は「輪作」を行っており、畑を四つに区切り、「あわ」「まめ」「麦」「牛」を時期により場所を移しバランスよく利用していたそうだ。
 赤尾展望台へ着きバスを降りると少し風が強く肌寒く感じた。しかし、来月公開予定の映画「私は貝になりたい」のロケ地でもありポスターの背景である国賀海岸が一望できる赤尾展望台からの風景にシャッターを押す手が忙しくなる。この展望台から牛や馬が放牧された草地の中を魔天崖へ向けて下る。途中ヤマグミを味見しながら、ツリガネニンジン、ハマビワ、ヒオウギなど観察。魔天崖へ下ると通天峡と言われる岩の上にダルマギクが群生しており見事な咲きっぷりに感動する。
 再びバスへ乗り、「トウテイラン」が咲いているというポイントへより港へ向かった。
送信者 隠岐諸島ネイチャートレッキング

 
4日目:道後(乳房杉‐鷲ヶ峰-屏風岩-神原高原-中谷林道、浄土ヶ原)

 風の音と吹き付ける雨音で目が覚めた。どうやらここの地域で暴風波浪警報が出ているようだ。ガイドの八幡と合流し天気予報を考慮に入れつつ相談する。お客様の中でも意見が別れる。結局、タクシーで島内観光ツアーを楽しまれる組と山へ登る組へ別れた。
 豪雨の中バスは山へ向けて出発した。気根が垂れ下がった乳房のように見えることから名付けられた乳房杉で途中下車をし鷲ヶ峰登山口へ。勢いも収まり小雨の中準備体操をして出発。日本の山にはアルカリ質の山は少ないが隠岐の島後の大部分は隠岐流紋岩と呼ばれるアルカリ流紋岩で構成されておりその珍しさと魅力から講義はスタートする。
送信者 隠岐諸島ネイチャートレッキング

 隠岐の生態系は面白い。南方系のナゴラン、バリバリノキ、シャシャンボ、キエビネ、北方系のイタヤカエデ、ハマベンケイソウ、エゾノヨロイグサなど沖縄から北海道に生育するような植物が共存している面白い島です。日本海にありながら対馬海流(暖流)の影響を受けており、ヤブツバキ、タブ、スダジイ、ヤブニッケイ、などの照葉樹林が分布していますが、興味深いことに島の中央あたりの山地にも同じ植物がみられる。また、海岸線の平地にも山地にも亜高山帯のミズナラ、カシワ、クロベ、ネズ、イタヤカエデ、ハリギリ、オオイワカガミ、などがみられたり、大陸、氷河期系のミツバイワガサ、ケグワ、クロベ、シロウマアサツキなども生育しています。北方系のモミの木に南方系のナゴランが着生して自生しているなど不思議な光景も見られます。これらの植物を実際に教えて頂きながら歩くととてもわかりやすい。気がつくと鷲ヶ峰山頂にいた。いつの間にか雨も上がっている。眼下には紅葉が始まっていた。
 山頂で休憩後屏風岩へ。徒歩10分ほどの距離だが難所が数か所待ち構えていた。それは険しい岩場だった。ガイド八幡さんの的確な指示を頼りに足場を探し一歩一歩登ってゆく。なんとか屏風岩を目の前から見渡せる展望台へ到着。屏風岩は高温の流紋岩質火砕流堆積物が固まる時に,柱状の割れ目(柱状節理といいます)が発達し,この割れ目に沿って崩落したために急崖となり、それが屏風のように見えることから名付けられたものだそうだ。
 屏風岩を後にして、神原高原へ下りここからさらに中谷林道へ下る。途中、杉の木の間から、トカゲ岩が顔を出す。トカゲ岩は粗面岩マグマが流紋岩質火山砕屑岩(火山噴火によって地表に放出された破片状の岩片と火山灰が固結してできた岩石)に貫入したもので、岩脈と呼ばれている。この岩脈はまわりの岩石より硬く風化しにくいために飛び出しており、その姿がちょうどトカゲが岩をよじ登っている姿に似ていることから名付けられました。最後に、浄土ヶ原へより潮風を浴びながら流紋岩などいろいろ石の解説をして頂きホテルへ戻った。
送信者 隠岐諸島ネイチャートレッキング

 
終りに、今回隠岐特有の植物から南方系の植物と北方系の植物の共存を楽しめ、隠岐特有の地質・地形を知り、スリル満点の岩登り、展望の素晴らしい絶景に息の飲み、さらに、新鮮な魚介類に胃袋も心もお腹いっぱいになったんではないでしょうか。
 皆様と楽しく過ごさせて頂き誠にありがとうございました。また、お会いできる日を楽しみにしております。

2008/10/20

どっぷり屋久島へ

鹿児島から桜島を眺めながら3時間。突然、海の上へ突き上がり頭は厚い雲に覆われた山の裾が夕日に照らされていた。雲の動きが早い。雲の下から上へ勢いよく駆け上がる様子が船上からうかがえる。

下は、ガジュマルやマングローブ、ハイビスカスなどが咲く亜熱帯だが、九州で一番高い山々の上にはヤクシマシャクナゲが咲き冬には雪が積もる。通常寿命500年といわれる杉だがここでは樹齢7000年と推定される「縄文杉」をはじめ杉の巨木が茂る不思議な島だ。そんな世界遺産「屋久島」へ接岸した。

今回は、白谷雲水峡から「もののけの森」を通り、株の中から空を見上げるとハート型に空が浮き出るという「ウィルソン株」-二本の杉が手をつないでいる「夫婦杉」などを見ながら、樹齢7000年の「縄文杉」を堪能しながら、屋久島のベスト3「永田岳1886m」「宮之浦岳1936m」「黒味岳1831m」を縦走するコース。縄文杉より先は観光客が突然いなくなり静かな屋久島にどっぷり浸れるのが魅力だ。

送信者 yakushima

「切り口周囲13.8mもあるウィルソン株」

送信者 yakushima

「木の株の中から上を見上げると、、ハート型??」

送信者 yakushima

「手をつないでいる??、、夫婦杉」

送信者 yakushima

「マイナスイオンたっぷり!!」

送信者 yakushima

「樹齢7000年と言われる森の長老、、縄文杉」

送信者 yakushima

「一回り小さいヤクシカ」

森の中へ入るとひんやりと気持ちいい湿度に包まれる。心の底からリラックスできる感じだ。自然と足取りも軽くなり奥へ進む。白谷雲水峡からもののけの森へ入るとより鬱蒼としてきた。まだにもののけの世界だ。森がそのまま動きだしそうな感じがする。ところどころ木漏れ日が苔にスポットライトを照らす。

「うわっ!!」

思わず声が出るほどに、「苔」は黄金いろに輝く。

送信者 yakushima

「朝日が差し込む。。」

送信者 yakushima

「なにか生命力を感じませんか??」

送信者 yakushima

「爽快!!」

送信者 yakushima

「こういう世界の中にいると自分の力を遥かに超える大きな何かを感じざる負えない。。」

送信者 yakushima

「紀元杉」

送信者 yakushima

「ヤクザルさん」

一泊目は新高塚小屋へ宿泊。ここのトイレには怖ーい噂があり帰れなくなるということで朝までみんな我慢(笑)翌朝、屋久島には、一か月35日雨が降るという噂通りたくさんの雨が降り、風が吹き、行く手を遮られそうになりましたが、一歩一歩、「永田岳」「宮之浦岳」「黒味岳」を縦走。山の上には花崗岩の岩があちらこちらで張り出しており、クライミングに持ってこいです。ウズウズしてしまいますね。。
二泊目は「石塚小屋」へ泊り淀川口へ下山。最終日は天気が良く爽快!!雨の水滴を十分に含んだ木の葉が朝日のスポットライトを浴び花火のように眩しく弾けていました。。。

「また、帰ってきたい!!」

そんな思いで島を離れました。何度来ても飽きない。奥の深さを改めて感じざる負えませんでした。